注文住宅を新築する際の悩み...屋根材編
こんにちは
宇治市・城陽市・京田辺市を中心に注文住宅とリノベーションを手掛ける工務店
株式会社 stats living company の井上です。
注文住宅を新築する際の悩み...シリーズが好評でしたので、注文住宅を新築する際の悩み...シリーズを別のテーマで書きたいと思います。
今回のブログテーマは
「注文住宅を新築する際の悩み...屋根材編」 です。
屋根材って、2階建て以上になると遠くから見ないと分からないモノではあるのですが、やはり、チラッとは見えるモノ。見た目にもこだわりたいし、機能性もこだわりたいですよね?
一番気になるところは、やはり耐久性でしょう。せっかく、注文住宅を新築する訳ですから、長く暮らしたいですし、できれば、おしゃれな注文住宅にしたいですよね?
今回のブログでは、皆さんの屋根材に関する悩みを解消するために、代表的な屋根材をピックアップして、メリットデメリットを丸裸にしていきたいと思います。大工職人出身の工務店社長である私が、本音をズバッとモノ申しますので、あなたの注文住宅を新築する際のヒントとして、ご利用ください。一緒に、あなたの注文住宅をおしゃれな注文住宅にしていきましょう!
そもそも屋根材ってどれくらい種類があるの?
細かく分けると、桧皮葺(神社などで用いられる)・銅板葺(大阪城など経年変化で黄緑色になる)・茅葺屋根(世界遺産の白川郷など)などもありますが、注文住宅で用いられることは、ま~ありません。コストがかかりすぎるからでしょう。では、現在の注文住宅で用いられている屋根材をピックアップしていきましょう。
・カラーベスト(スレート瓦)
・ガルバリウム鋼板
・洋風瓦
現在、注文住宅で用いられている屋根材は、以上の3種類でしょう。どの屋根材にも、メリットがあればデメリットをございます。主にコスト、耐久年数ですね。あとは、見た目も。
それではここからは、現在、注文住宅に用いられる3種類の屋根材について深堀していきましょう。
・カラーベスト(スレート瓦)
カラーベストとはセメントと繊維を主材料とする瓦で、コロニアルとも呼ばれます。最も普及している屋根材であり、セメント瓦に比べ安価で葺き替え等のメンテナンスが容易であることが特徴です。
カラーベストは、陶器瓦の半分ほどの重さでとても軽く、住宅への負担が少ないため瓦に比べて耐震性も上がります。また、すべての屋根材を釘で固定する「全数釘止め工法」で施工しているため、強風による飛散や落下を防げます。さらに、国土交通省が定める不燃材料認定番号を取得しており、万が一の火災時には、隣家に燃え広がるスピードを抑えられるでしょう。
今回、ご紹介する屋根材の中では、1番コストがかかりません。それから、今回ご紹介する3種類の屋根材のなかで、重量としては真ん中です。また、形状・施工方法的に見ても、雨漏りの心配もないでしょう。それが、現在の日本で最も普及した理由でしょう。また、色や柄もそれなりにバリエーション豊富です。住宅の形状・外壁の色などを考慮して、カラーベストの色についても検討していただくと、おしゃれな注文住宅になるでしょう。
カラーベストのメリットをまとめると
・カラーベストはコストが低い
・耐震性 ○
では、次にカラーベストのデメリットを探っていきましょう。
カラーベストは、防水機能を維持するため定期的に塗装が必要となります。大体10年~15年に1度。カラーベスト自体に防水機能がないため、塗装することで水の浸透を防ぐしかありません。定期的に塗装する手間や、費用がかかってしまうことを覚えておきましょう。屋根の塗装工事をしなければならない=作業員の落下防止のため足場を設置しないといけません。カラーベストの塗装費用だけでなく、足場の設置費用もかかるという事は覚えておきましょう。また、カラーベストは凍害に弱いため、寒い地域での施工は不向きです。寒冷地にお住まいの方は、カラーベストの施工は避けるようにしましょう。
カラーベストのデメリットをまとめると
・カラーベストは定期的に塗装メンテナンスしないとダメ
・カラーベストは寒い地域では、おすすめできない
三分の一で、この文章量...今日も長文の予感が。では、次はガルバリウム鋼板について説明していきましょう。
・ガルバリウム鋼板
まずは、画像を見ていきましょう。
ガルバリウム鋼板とは、1972年にアメリカで開発された金属素材です。モダンというか、スッキリとスタイリッシュな外観から近年人気が高まっていますが、実は昔からある素材です。
アルミと亜鉛で鉄を守ることにより生まれた、耐久性に優れた鋼板です。それまで普及していた金属屋根素材のトタンは亜鉛メッキ鋼板でしたが、トタンにアルミを加えて強くしたのがガルバリウム鋼板です。近年、流行しだした理由としては、カラーバリエーションが豊富になったことが原因でしょう。昔のトタンと言われた材料は、とにかく色がダサかったからです。いい時代になったものですね。
こちらは横葺です。カラーバリエーションだけでなく、形状も豊富でリフォームやリノベーションにも多く用いられています。
ガルバリウム鋼板は、亜鉛鉄板の犠牲防食機能(亜鉛が犠牲となって腐食することにより鉄の腐食が防止されること)と、アルミの長期耐久性を併せ持っているため、従来のトタン屋根に比べ3~6倍の耐久性を誇ります。また、積雪の多い地方でも大雪に耐えることが可能なので、安心して雪の季節を過ごすことができます。さらに、近年では、表面がフッ素コーティングされた商品もあるため、酸性雪や酸性雨、海岸地域などでも優れた耐久性を発揮します。ただし、時間が経つと錆びてしまうため、定期的な塗装メンテナンスメンテナンスは必要です。
ガルバリウム鋼板は、1〜3mm程度と非常に薄い素材であり、重さも瓦の10分の1ほどと、今回ご紹介している3種類の屋根材の中では1番軽量です。。屋根の重さは、地震の際の家の耐震性に影響を及ぼすのですが、ガルバリウム鋼板は家屋の躯体への負担を軽減し、瓦などに比べ地震の揺れに強いです。そのため、重ね葺きや外壁の重ね張りなど、全体の重量が増えるような工事に向いています。一方、コスト面は今回ご紹介する3種類の屋根材の中では真ん中です。
ガルバリウム鋼板のメリットをまとめると
・形状・カラーともにバリエーション豊富
・耐震性 ◎
では、次にガルバリウム鋼板のデメリットを探っていきましょう。
瓦やスレートの屋根材には、それ自体に断熱性能があるのですが、ガルバリウム鋼板は金属なので、素材自体に断熱性能はありません。そのため、屋根材の下や屋根裏の断熱材を施工する際は念入りに施工しないといけません。
耐久力のあるガルバリウム鋼板ですが、アルカリ性との相性は良くないので、施工する環境には注意が必要です。
ガルバリウム鋼板に、枯れ葉や木くず、木材などが長い間付着していると、変色・変質することがあります。これは、木材に含まれている「木酢液」という酢酸が原因です。自宅や隣家の庭などに背の高い植物がある場合、こまめに手入れしなくてはいけません。
また、ガルバリウム鋼板屋根の設置工事の施工不良から、雨漏りが起こってしまう可能性があります。ガルバリウム鋼板屋根の需要が増えたことで、専門業者以外の業者が参入してきたことが挙げられます。ガルバリウム鋼板の施工工事は、高い専門性が必要です。
専門業者でないと、適切な施工手順を守れていなかったり、使うべき材料を省いて施工費を下げたりしている可能性があります。
それから、ガルバリウム鋼板屋根は20年に1回のメンテナンスをおすすめします。もちろん、選ばれる商品によってメンテナンスの年数は変わります。30年経っても汚れないなんて商品もありますが、いずれにしても、メンテナンスは必要でしょう。
ガルバリウム鋼板屋根が劣化する原因の大半は、塗装が剥げてしまうことや飛来物による「もらい錆」です。メンテナンスを実施しないと、穴が開いたりなどの経年劣化が進み、本来の耐用年数を迎えられない可能性もあります。
ガルバリウム鋼板のデメリットをまとめると
・断熱性が低い
・やはりメンテナンスは必要
・洋風瓦
日本における洋瓦の歴史は、実は江戸時代末期にさかのぼり、この時期にフランス人によって日本国内での洋瓦の製造が始まったとされています。当初は西洋の建築スタイルを取り入れた建物に使用されていましたが、その後は日本の住宅でも徐々に採用されるようになりました。現在、日本の建築スタイルで特に人気を集めているのが欧州の建物であり、その中でも南欧風のものが特に注目されています!そうした南欧風の建物に「洋瓦」が使用されている事も、日本で洋瓦が注目を集めている理由の一つでしょう。
洋瓦は粘土を主原料とする「粘土瓦」
粘土瓦は粘土を高温で焼いて作られる耐久性の高い瓦で50年~100年という長い耐用年数を持ち、断熱性にも優れています。
塗装メンテナンスを必要としない事から、メンテナンスコスト・手間を節約する事が出来ます。ただし、台風などの強風で、瓦がズレてしまった、などがある場合はメンテナンスは必要となります。
洋瓦の魅力は、何と言っても美しい外観と実用性により、日本国内での人気が高まっています。
一般的な瓦である「和瓦」などと比較して、洋瓦はそのカラフルな色彩と独特の形状を持っています。屋根に個性を持たせることが最大の魅力であり、オレンジ、ブラウン、紺色などの豊富なカラーバリエーション・形状を建物のデザインに合わせて自由に選ぶことが出来ます!また、機能面においては耐久性の高さが特徴的であり、長期にわたって美観を保つことが可能です。さらに、断熱性・通気性にも優れており、室内空間を快適な温度に保つ効果も兼ね備えます!
洋風瓦のメリットをまとめると
・ズレなどがなければメンテナンス不要
・断熱性が高い
では、ここからは洋風瓦のデメリットを探っていきましょう。
やはり、1番のデメリットはコストでしょう。通常の屋根材より多くの施工費用が必要になります。
施工時に詳しい知識と技術が必要で手間がかかるため、洋瓦の施工費用は通常の屋根材と比較すると工事費用が高めになります。
ただ、設置時に高く感じても、メンテナンス頻度の少なさから考えると一概に高いとも言えません。
お伝えしたように、ほかの屋根材のような塗装メンテナンスが不要だからです。導入コストはもちろん、維持管理にかかるコストもふまえておくといいでしょう。
それから、これは必ずお伝えしないといけない事なのですが、それは重量です。今回ご紹介する3種類の屋根材の中では、1番重いです。これでピンとこられた方もおられると思います。それは、耐震性が低くなるという事です。屋根が重いと、地震の際によく揺れるのです。
重量のある洋瓦は、耐震性に劣る点がデメリットと捉えられることが多いかもしれません。確かに、ほかの屋根材と比べても重い洋瓦は、地震時に揺れやすく弱点となりがちです。洋瓦を施工するときは「重量」に耐えられることはもちろん、通常の家づくりよりも強い構造体を造ること重要です。
洋風瓦のデメリットをまとめると
・コストが1番高い
・耐震性 △
ここまで読んでいただいた方は、屋根材についてご理解していただけたと思います。もう、屋根マスターですね!あなたの注文住宅には、どの屋根材を使うのか?お伺いしたいところですが、本日も長文になってしまいましたので、本日のブログの内容をまとめていきましょう。
本日のまとめ
・コストは、カラーベスト→ガルバリウム鋼板→洋風瓦の順に高くなる
・耐震性は、洋風瓦→カラーベスト→ガルバリウム鋼板の順に高くなる
・断熱性は、ガルバリウム鋼板→カラーベスト→洋風瓦の順に高くなる
・メンテナンスサイクルは、カラーベスト→ガルバリウム鋼板→洋風瓦の順に長くなる
・屋根のメンテナンスは、塗装費用と足場設置費用が必要
こちらのまとめ内容を理解されていたら問題ないかと思います。せっかく新築する、おしゃれな注文住宅です、おしゃれなだけじゃなく、高性能で長持ちする注文住宅にしたいですよね?今回のブログを参考にしていただき、あなたの注文住宅が素晴らしいモノになる事を、お祈りしています。
最後にもう1つ。いや、2つ(笑)
1つ目は太陽光パネルを載せる場合の事。太陽光パネルの耐用年数は40~50年と言われています。つまり、"載せたら載せっぱなし"になるのです。耐用年数の長い、丈夫な屋根材がおススメです。ただ、補足しておくと、太陽光パネルが載っている部分は、酸性雨・直射日光から守られているので、現実的には"太陽光パネルが載っていない部分"だけの定期的なメンテナンスで済むと思いますし、そうであって欲しいと思います。
2つ目。
私のおすすめの屋根材は、"洋風瓦"です。やはり、丈夫だからです。
注文住宅は建てるのがゴールではありません。本当に大切なのは、"注文住宅を建ててから、幸せな暮らしをする"ということです。初期費用がかさんだとしても、可能な範囲でメンテナンス費用がかかりづらい屋根材・外壁材を選んでいただきたいと思います。
本日のブログも長文で失礼いたしました。
では、本日は
このあたりで
最後までお読みいただき、ありがとうございました。